自動運転レベル2・レベル2++・レベル4の違いを分かりやすく解説。運転の主体、周囲の監視、ハンズオフ、アイズオフ、ドライバーの責任、走行できる条件を比較し、自動運転ニュースを見るときの注意点も紹介します。

「レベル2でもハンドルから手を離せるなら、自動運転では?」
「最近ニュースで見るレベル2++は、レベル3に近いの?」
「レベル4になれば、ドライバーは何もしなくていい?」
自動運転のニュースが増えるにつれて、「レベル2」「レベル2++」「レベル4」といった言葉を目にする機会も増えてきました。
しかし、数字だけを見て、
レベル2→レベル2++→レベル3→レベル4
と単純に性能が上がっていくものだと考えると、少し誤解があります。
特に重要なのが、**「誰が周囲を監視し、誰が運転を担うのか」**です。
結論からいうと、
- レベル2:運転主体はドライバー
- レベル2++:高度なレベル2を表す通称。運転主体はドライバー
- レベル4:決められた条件内ではシステムが運転を担う
という大きな違いがあります。
そして「レベル2++」は、SAE Internationalが定めた正式な自動運転レベルではありません。
「++」が付いて高度な運転支援になっても、正式な分類がレベル2であれば、ドライバーが周囲を監視して必要なときに操作しなければなりません。
この記事では、自動運転レベル2・2++・4の違いを、できるだけ専門用語をかみ砕いて解説します。
- 自動運転レベル2・2++・4の違いを一覧で比較
- 自動運転レベルは0~5までの6段階
- 自動運転レベル2は「自動運転」より「運転支援」と考えると分かりやすい
- ハンズオフできてもレベル2の場合がある
- レベル2++とは何か?
- レベル2++でも運転主体はドライバー
- 「ハンズオフ」と「アイズオフ」は違う
- レベル4は「限定条件内」でシステムが運転を担う
- レベル4とレベル5は何が違う?
- 日本では「特定自動運行」の制度が始まっている
- レベル4でも人がまったく関与しないとは限らない
- レベル2とレベル4では事故時の責任も考え方が違う
- 自動運転の実証実験ニュースで確認したい5項目
- よくある質問
- まとめ|数字より「誰が周囲を監視するのか」を確認しよう
- 参考資料
自動運転レベル2・2++・4の違いを一覧で比較
まず、違いを表で確認してみましょう。
| 比較項目 | レベル2 | レベル2++ | レベル4 |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | SAEの正式区分 | 正式区分ではない通称 | SAEの正式区分 |
| 運転の主体 | ドライバー | ドライバー | 条件内ではシステム |
| 周囲の監視 | ドライバー | ドライバー | 条件内ではシステム |
| 操舵・加減速 | システムが同時に支援 | より高度な支援が想定される | 条件内ではシステムが実行 |
| 必要時の対応 | ドライバーが直ちに対応 | ドライバーが直ちに対応 | システムが安全確保に必要な対応を行う |
| 走行条件 | 機能ごとに設定 | 製品・サービスごとに設定 | 限定された運行設計領域(ODD)内 |
| ハンズオフ | 条件により可能な場合あり | 条件により可能な場合あり | 運転者の操作を前提としない |
| 周囲から目を離せるか | 原則不可 | 「2++」という名称だけでは不可 | ODD内ではシステムが周囲を監視 |
| ドライバー不在 | 不可 | 不可 | 制度・条件を満たせば可能 |
一番重要なのは、
「ハンドルから手を離せるか」ではなく、「誰が周囲を監視して安全を確保するのか」
という違いです。
同じように車がハンドル・アクセル・ブレーキを操作していても、レベル2とレベル4では意味が大きく異なります。
自動運転レベルは0~5までの6段階
自動運転レベルは、SAE Internationalの基準をもとにレベル0からレベル5までの6段階に分けられています。
| レベル | 概要 | 運転の主体 |
|---|---|---|
| レベル0 | 運転自動化なし | ドライバー |
| レベル1 | 操舵または加減速のどちらかを支援 | ドライバー |
| レベル2 | 操舵と加減速を同時に支援 | ドライバー |
| レベル3 | 条件内ではシステムが運転し、要請時はドライバーが引き継ぐ | 条件により変わる |
| レベル4 | 限定された条件内ではシステムが運転を完結 | システム |
| レベル5 | 場所などを限定せずシステムが運転を完結 | システム |
ここで注意したいのが、車がどれだけ高度な操作をできるかだけでレベルが決まるわけではないことです。
例えば、
- 操舵・加減速を誰が行うのか
- 周囲を誰が監視するのか
- システムが運転を継続できなくなったとき誰が対応するのか
などが重要になります。
自動運転レベル2は「自動運転」より「運転支援」と考えると分かりやすい
レベル2では、システムがアクセル・ブレーキによる前後方向の制御と、ハンドルによる左右方向の制御を同時に支援します。
例えば、
- 先行車との車間距離を保つ
- 車線内を走行する
- 車線変更を支援する
- 高速道路の分岐を支援する
といった機能があります。
かなり高度な操作を車側が行うため、運転していると、
「ほとんど車が運転してくれている」
と感じることもあるでしょう。
しかし、ここが重要です。
レベル2の運転主体は、あくまでドライバーです。
ドライバーは、
- 前方や周囲を監視する
- システムの作動状態を確認する
- すぐに運転操作へ戻れる状態を保つ
- 天候・道路状況・機能の使用条件を守る
- システムが対応できない場合は自ら操作する
必要があります。
つまり、
「車が自動で走っているように見える」ことと、「車に運転を任せてよい」ことは同じではありません。
ハンズオフできてもレベル2の場合がある
ここは特に誤解しやすいところです。
一定の条件でハンドルから手を離して走行できる機能は、一般にハンズオフと呼ばれます。
しかし、
ハンズオフ=レベル3・レベル4
ではありません。
ハンドルから手を離していても、ドライバーが周囲を監視し、必要な場合には直ちに運転操作を行う前提ならレベル2です。
自動運転レベルを判断するときは、
「ハンドルを握っているか」
だけではなく、
「誰が周囲を監視しているのか」
を確認すると分かりやすくなります。
レベル2++とは何か?
最近の自動運転関連ニュースでは、**「レベル2+」「レベル2++」**という表現を見ることがあります。
しかし、レベル2++はSAEが定めた正式な自動運転レベルではありません。
一般的には、高度化したレベル2の運転支援を説明するために、自動車メーカー、技術企業、報道機関などが使っている表現です。
例えば、
- 高速道路だけでなく市街地でも操舵・加減速を支援
- 信号や交差点、右左折などへの対応
- 経路に沿った車線変更や分岐の支援
- 高精度地図や多数のセンサーを利用
- ドライバーモニタリングによる視線・状態確認
など、高度な運転支援がレベル2+やレベル2++と表現される場合があります。
ただし、
「+」や「++」に世界共通の性能要件があるわけではありません。
同じ「レベル2++」という言葉を使っていても、できることや使用条件が同じとは限らないのです。
レベル2++でも運転主体はドライバー
ここが今回の記事で最も重要なポイントの一つです。
レベル2++という名前でも、正式な分類がレベル2なら運転主体はドライバーです。
例えばシステムが、
- 市街地を走る
- 信号を認識する
- 交差点を曲がる
- 車線変更する
- ナビのルートに沿って走る
ところまで支援できたとしても、それだけでレベル3やレベル4になるわけではありません。
分類がレベル2なら、ドライバーが周囲を監視し、いつでも介入できる必要があります。
製品紹介などで、
「目的地まで自動で走行」
「ほとんど操作不要」
といった表現を見た場合も、言葉だけで判断しないほうがよいでしょう。
確認したいのは次の5点です。
- 正式な自動運転レベルはいくつなのか
- ドライバーは常時周囲を監視する必要があるのか
- ハンズオフが認められる条件は何か
- 警告が出たとき、ドライバーは何をする必要があるのか
- 使用できる道路・速度・天候などにどのような制限があるのか
「レベル2++」という呼び方より、メーカーの取扱説明書や正式な使用条件を確認することが重要です。
「ハンズオフ」と「アイズオフ」は違う
もう一つ覚えておきたいのが、ハンズオフとアイズオフの違いです。
ハンズオフ
一定条件でハンドルから手を離して走行できる状態です。
ただし、ハンズオフできるレベル2では、ドライバーが周囲を監視する必要があります。
アイズオフ
システム作動中に、ドライバーが継続的な周囲監視を行わなくてよい状態を表す言葉として使われます。
つまり、
ハンドルから手を離せることと、道路から目を離せることは別問題です。
通常のレベル2ではドライバーが周囲を監視するため、スマートフォンの操作や動画視聴など、運転に必要な注意を外してよいという意味にはなりません。
「レベル2++」という名称だけを根拠に、
「アイズオフできる」
と判断することもできません。
車両の認証、正式な機能区分、法令、メーカー指定の使用条件を確認する必要があります。
レベル4は「限定条件内」でシステムが運転を担う
レベル4になると、レベル2とは考え方が大きく変わります。
レベル4では、運行設計領域(ODD)と呼ばれる決められた条件の範囲内で、システムが運転を担います。
システムが担うのは、操舵や加減速だけではありません。
- 周囲の監視
- 車両の操作
- 運転継続が難しくなった場合の対応
などもシステム側が担います。
ODDには、例えば、
- 走行する道路・区域
- 時間帯
- 走行速度
- 天候
- 道路環境
- 通信環境
などの条件が設定されます。
そのため、レベル4は、
「全国どこでも好きな場所を無人で走れる完全自動運転」
という意味ではありません。
限定されたルートを低速で走る自動運転バスや、特定区域内の移動サービスなどをイメージすると分かりやすいでしょう。
レベル4とレベル5は何が違う?
レベル4について、
「車が全部運転するならレベル5と同じでは?」
と思うかもしれません。
大きな違いは運行できる条件の制限です。
レベル4は、
「決められた条件の中でシステムが運転を完結する」
仕組みです。
一方、レベル5は、場所などを限定せずシステムが運転を完結する区分です。
したがって、
レベル4=条件付きの自動運転
レベル5=条件を限定しない完全自動運転
と考えると違いを理解しやすくなります。
日本では「特定自動運行」の制度が始まっている
日本では2023年、道路交通法に基づく**「特定自動運行」**の許可制度が始まりました。
特定自動運行は、レベル4に相当する自動運行装置を使用条件内で使用し、運転者がいない状態で道路を走行する運行を想定した制度です。
ただし、
「レベル4の車を用意すれば、すぐ無人で走らせられる」
わけではありません。
実施するためには都道府県公安委員会の許可を受け、特定自動運行主任者を置くなど、必要な運行体制を整える必要があります。
車両の技術だけでなく、運行する仕組み全体が必要になるわけです。
レベル4でも人がまったく関与しないとは限らない
「レベル4=完全無人」と思われがちですが、ここにも注意が必要です。
車内に運転者がいないサービスでも、運行全体を人が支える場合があります。
例えば遠隔拠点で、
- 車両位置を確認
- 車両映像を確認
- 利用者からの問い合わせに対応
- 異常時の連絡
- 運行中断時の対応
などを行うケースがあります。
必要に応じて、現場へ担当者を派遣する体制を設けることもあります。
つまりレベル4とは、
「人間が一切関与しないシステム」
ではありません。
決められた条件内で、運転に必要な動的運転タスクをシステムが担うという意味です。
運行管理、車両整備、遠隔監視、利用者対応まで、すべて無人になるとは限りません。
レベル2とレベル4では事故時の責任も考え方が違う
レベル2とレベル4では運転主体が違うため、事故が起きたときに確認される内容も変わってきます。
レベル2の場合
ドライバーが運転主体なので、
- 前方や周囲を監視していたか
- 使用条件を守っていたか
- 警告に対応したか
- 必要な操作を行ったか
などが重要になります。
レベル4の場合
ODD内ではシステムが運転を担うため、
- システムの作動状態
- ODDの条件内だったか
- 運行事業者の管理
- 遠隔監視などの運行体制
- 車両・システムの不具合
- 点検・整備状況
など、より多くの関係者・要素を確認することになります。
ただし、
「レベル4で事故=自動車メーカーの責任」
と単純に決まるわけではありません。
事故原因や関係者の義務などを確認して、個別に判断されます。
▶自動運転中の事故は誰の責任?レベル2とレベル4の事故責任についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
自動運転の実証実験ニュースで確認したい5項目
今後、自動運転の記事を書く場合にも、この部分は重要です。
ニュースでは、
「自動走行」
「無人化を目指す」
「レベル4対応車両」
といった表現が使われることがあります。
しかし、将来目標と現在実施している運行レベルは分けて確認する必要があります。
1.現在の運転レベル
「将来的にレベル4を目指す実証実験」であっても、現在は安全運転者が乗車するレベル2で走っている可能性があります。
「レベル4を目指す」と「現在レベル4で走っている」は別です。
2.車内に安全運転者がいるか
運転席に安全運転者がいるのか。
添乗員だけなのか。
完全に無人なのか。
ここを確認すると、現在の実証段階を判断しやすくなります。
3.誰が周囲を監視しているか
ドライバーが周囲を監視するレベル2なのか、ODD内でシステムが周囲を監視するレベル4なのかを確認します。
4.どこを、どの条件で走れるのか
- ルート
- 速度
- 時間帯
- 天候
- 道路条件
などを確認します。
例えば「○○市内で自動運転バスを運行」と書かれていても、その市内のすべての道路を自由に走れるとは限りません。
5.何を検証する実証実験なのか
自動運転の実証では、
- 車両性能
- 遠隔監視
- 通信
- 道路インフラとの連携
- 利用者の受容性
- 運行体制
- 採算性
など、さまざまな項目が検証されます。
「自動運転の実証実験」というだけで、車両の自動運転性能だけを試しているとは限りません。
よくある質問
レベル2なら運転中にスマートフォンを使えますか?
レベル2ではドライバーが周囲を監視し、必要な場合には自ら操作する必要があります。
運転支援機能を使用しているからといって、スマートフォンを操作してよいわけではありません。
交通ルールとメーカーが定める使用条件を守る必要があります。
ハンドルから手を離せればレベル3ですか?
いいえ。
一定の条件でハンズオフできても、ドライバーが周囲を監視し、必要なときに操作するシステムであればレベル2です。
レベル2++は正式な自動運転レベルですか?
正式な自動運転レベルではありません。
高度なレベル2の運転支援を説明するために使われる通称で、「++」について共通の性能要件もありません。
レベル2++はレベル3に近い自動運転ですか?
機能面で高度な運転支援を表す場合がありますが、正式な分類がレベル2である限り、運転主体と周囲の監視はドライバーです。
「2++だからレベル3に近い」と名称だけで判断しないほうがよいでしょう。
レベル2++ならアイズオフできますか?
「レベル2++」という名称だけでは判断できません。
レベル2では基本的にドライバーが周囲を監視します。
実際に何が認められているかは、正式な機能区分、認証、法令、メーカー指定の使用条件を確認する必要があります。
レベル4なら全国どこでも無人で走れますか?
いいえ。
レベル4は、道路・区域、速度、時間帯、天候など、あらかじめ設定されたODDの範囲内でシステムが運転を担います。
場所などを限定せずシステムが運転を完結する区分はレベル5です。
まとめ|数字より「誰が周囲を監視するのか」を確認しよう
自動運転レベル2・2++・4の違いを理解するときは、数字や名称だけを見るのではなく、
「誰が周囲を監視し、誰が安全な運転を担うのか」
を見ると分かりやすくなります。
レベル2では、システムが操舵と加減速を同時に支援していても、運転主体はドライバーです。
ハンズオフできる機能でも、レベル2であればドライバーが周囲を監視し、必要なときには操作しなければなりません。
レベル2++は、高度なレベル2を表すために使われる通称です。
SAEの正式な自動運転区分ではなく、「+」「++」について共通の性能要件もありません。
そのため、
「レベル2++だからレベル3に近い」
「レベル2++だからアイズオフできる」
と名称だけで判断するのは避けたほうがよいでしょう。
一方、レベル4では、限定されたODDの範囲内でシステムが運転操作、周囲の監視、継続困難時の対応を担います。
ただし、
レベル4=全国どこでも完全無人で走れる
という意味ではありません。
さらに、車内にドライバーがいなくても、遠隔監視、運行管理、車両整備、利用者対応などを人が担当することがあります。
今後、自動運転関連のニュースを見るときは、
「レベルはいくつか」だけではなく、「現在誰が周囲を監視しているのか」「安全運転者は乗っているのか」「どこまで走れるのか」
まで確認すると、そのニュースの本当の意味が見えてきます。
参考資料
- 国土交通省「自動運転レベルの定義」
- 警察庁「自動運転」
- 警察庁「『特定自動運行』の解釈及び運用上の留意事項」
※本記事は2026年10月7日時点で公表されている情報をもとにした一般的な解説です。実際に車両やサービスを利用する際は、最新の法令、メーカーの取扱説明書、機能の正式名称・使用条件を確認してください。


コメント