「人身傷害保険は必要なのか?」
「補償額はいくらに設定すればいいのか?」
自動車保険を検討する際、この疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、人身傷害保険は基本的に加入をおすすめする補償です。
ただし補償額は一律ではなく、
生活状況や収入によって適切な金額が変わる補償でもあります。
交通事故では
- 治療費
- 仕事を休んだことによる収入減少
- 後遺障害による将来の収入減
- 生活環境の変更に伴う費用
など、多くの経済的負担が発生する可能性があります。
この記事では
- 人身傷害保険はいらないと言われる理由
- 人身傷害保険が必要とされる理由
- 人身傷害保険の補償額はいくら必要か
を実務視点で整理します。
人身傷害保険とは
人身傷害保険とは、交通事故によって発生した
自分や同乗者のケガによる損害を補償する保険です。
主な補償内容には次のものがあります。
- 治療費
- 入院費
- 休業損害
- 慰謝料
- 後遺障害による逸失利益
- 死亡補償
多くの自動車保険では
過失割合に関係なく実際の損害額を補償する仕組みになっています。
そのため事故後の治療費や生活費を確保する補償として、
自動車保険の中でも重要な補償の一つです。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「人身傷害補償保険」
(参照日:2026/03/04)
人身傷害保険はいらないと言われる理由
一部では「人身傷害はいらない」と言われることがあります。
主な理由は次の通りです。
自賠責保険がある
すべての自動車は
自賠責保険への加入が義務付けられています。
自賠責保険でも
- 治療費
- 休業損害
- 慰謝料
などが補償されます。
しかし自賠責保険の傷害補償には
120万円の上限があります。
重いケガや長期治療が必要な場合、
この金額では不足する可能性があります。
出典:金融庁「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」
(参照日:2026/03/04)
健康保険が使える
交通事故でも健康保険を利用して
治療を受けることが可能です。
そのため
「治療費は健康保険で十分」と考える人もいます。
ただし健康保険で補償されるのは
医療費の一部のみです。
次のような損害は補償されません。
- 休業損害
- 慰謝料
- 後遺障害による収入減
そのため、事故後の生活費を補償する仕組みとして
人身傷害保険が利用されます。
搭乗者傷害保険がある
自動車保険には
搭乗者傷害保険という補償もあります。
これは事故によるケガに対して
あらかじめ決められた金額を支払う保険です。
ただし搭乗者傷害は
- 支払いが定額
- 実際の損害額とは連動しない
という特徴があります。
そのため事故による損害を
十分に補償できない場合があります。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会
(参照日:2026/03/04)
人身傷害保険が必要な理由
人身傷害保険が重要とされる理由は、
事故による実際の損害を補償できる点にあります。
実際の損害額を補償できる
人身傷害保険では
- 治療費
- 休業損害
- 慰謝料
- 後遺障害による逸失利益
など、事故による損害を幅広く補償します。
重い後遺障害が残った場合、
損害額が数千万円以上になるケースもあります。
過失割合に関係なく補償される
通常、交通事故では
過失割合によって賠償額が変わります。
しかし人身傷害保険では
過失割合に関係なく補償される場合が多いため
事故直後の生活費を
確保しやすいという特徴があります。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会
(参照日:2026/03/04)
示談成立を待たずに支払いされる場合がある
多くの保険商品では、
示談成立を待たずに保険金が支払われる仕組みがあります。
交通事故の示談は
数か月〜1年以上かかるケースもあります。
その間の
- 治療費
- 生活費
を確保できる点は、人身傷害保険の大きなメリットです。
出典:各損害保険会社 商品概要
(参照日:2026/03/04)
人身傷害保険はいくら必要?
人身傷害保険の補償額は
比較的高めの設定が推奨されることが多い補償です。
理由は、事故によって重い後遺障害が残った場合
想定以上の費用が発生する可能性があるためです。
例えば事故によって
車いす生活になった場合
退院後の生活では次のような費用が必要になることがあります。
- 玄関のスロープ設置
- 自宅のバリアフリー改修
- 手すりの設置
- 介護ベッドの導入
- 車いす対応の住宅改修
このような生活環境の整備費用も
事故による損害として補償対象になる場合があります。
人身傷害保険の補償額の目安
一般的な補償額の設定例は次の通りです。
| 補償額 | 評価 |
|---|---|
| 3000万円 | 最低ライン |
| 5000万円 | 一般的な水準 |
| 7000万円 | 安心できる水準 |
| 無制限 | 最も手厚い補償 |
重度後遺障害の場合
損害額が数千万円〜1億円以上になるケース
もあります。
そのため保険会社の商品設計では
人身傷害を無制限に設定できるプランも多く用意されています。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会
(参照日:2026/03/04)
補償額の決め方の目安
補償額は生活状況によって
次のように考えるのが一般的です。
| 条件 | 目安 |
|---|---|
| 独身 | 5000万円 |
| 家族あり | 7000万円〜無制限 |
| 高収入 | 無制限 |
収入が高いほど
後遺障害による逸失利益が大きくなるためです。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い
| 項目 | 人身傷害保険 | 搭乗者傷害保険 |
|---|---|---|
| 支払い基準 | 実際の損害額 | 定額 |
| 支払いタイミング | 示談前支払い可 | 比較的早い |
| 目的 | 生活補償 | 見舞金的補償 |
このように
人身傷害は生活補償の中心になる保険です。
人身傷害の車外補償とは
人身傷害保険には
**「車外補償」**という仕組みがある商品もあります。
これは
- 歩行中の事故
- 自転車事故
- 他人の車に乗っていた事故
などでも補償される仕組みです。
詳しくは
「人身傷害の車外補償は必要?」の記事で解説しています。
まとめ|人身傷害保険は生活を守る補償
人身傷害保険は
- 治療費
- 休業損害
- 慰謝料
- 将来の収入減
など、事故後の生活を支える補償です。
特に
- 重度後遺障害
- 長期治療
- 住宅改修
などを考えると、
補償額は 5000万円〜無制限 を目安に検討するケースが多く見られます。
自動車保険を選ぶ際は
保険料だけでなく
事故後の生活を支えられる補償かどうか
という視点で検討することが重要です。
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